「KAWANOWA」な人たち Vol.5後編
『有限会社野村製作所 代表取締役 野村俊一氏 インタビュー』
「自由でのびのびした環境から生まれる、ユニークな革小物たち」

KAWANOWAな人たち

後編では、催事イベントでのお話や、今後の展望について伺います。
前編はこちら

不動な定番デザインを求めるお客様

催事イベントに立っている植田清香さんにもお話を伺いました。

「私たちが通常作らせて頂いているOEM製品は、毎年トレンドが変わるので、新しいものがどんどん提案されます。けれど、お客様の中には“前に使っていたあの財布が欲しい”といった、継続的に同じデザインを使いたいと希望される方が少なくないのです。

そういったニーズはオリジナルであれば可能ですし、お客様にご提案頂いた色を試すことも出来ます。そんなご要望を形にしていたら、今では20色展開になったシリーズもあります。好きな色を探したいというお客様に人気の商品になっています。」

IMG_7699.JPG

引き出しの中にぎっしり。過去に作られたOEM製品の数々。

イベントでリアルな声を聞く

OEMメーカーであれば、一般的には店頭で直接お客様と繋がれる機会はほぼありません。問屋に納品して終わり、というのが常ですが、現在積極的に催事イベントに出店してお客様の生の声を伺っています。
何が欲しいのか、どんな使い勝手がいいのかなど、細かく聞きだすことで次の製品のアイデアにも繋がっています。

「モノづくりだけをしている時に比べて何が変わったかというと、きっと“親切心”なんだと思います。デザイナーさんのデザインを形にするだけでなく、使って下さる方の使い勝手を考え、形に生かす大切さを改めて実感しています。直接声が聞ける機会を頂けて、大変有り難いと思っています。」

「売場で初めてお会いするお客様が、“ようやくあなたに会えたわー、嬉しい”と言って下さるケースが増えてきました。相手はブログなどを見てすでに私を知って下さっています。そんな出逢いもとても嬉しく、販売に行くというより実物を持って使い勝手や、作ってくれた職人さんについて説明に伺う感覚です。」と植田さんは笑います。

商品力だけでなく、野村製作所のスタッフが醸し出す温かい雰囲気も、人気の大きな要因なのかもしれません。

お客様のリアルな声を聞く、有限会社野村製作所 植田清香氏

職人さんの“独り立ち”を奨励

現在は社内に8名の職人さんがいますが、野村社長は一人増えるたびにミシンを買い足してきました。ミシンを共有する会社も多いですが、「みんなそれぞれ使う時の設定があるから」と、一人一台使える環境にしています。

サンプル製作室に並ぶミシン台。

ここ数年で、数人の職人さんが野村製作所の研修を受け、専属の職人さんとして独立していきました。2年前からは栃木市に営業所兼研修所を設け、職人さんの養成に力を入れています。そんな形で野村社長は積極的に職人さんの“独り立ち”を奨励しています。

メイドインジャパンの製品が人気を博していますが、実際のところ業界では大変な職人不足。そんな中でものづくりが好きな若い人たちが自由に学び、鍛えられて自分の手一本で生きていくことを応援してくれる存在は、この時代とても貴重ではないかと思いました。

最後に、「KAWANOWA」をどんな場にしたいですか?とお尋ねしました。
「2020年の東京オリンピックに向けて、日本のモノづくりをもっと知ってもらう機会を増やす必要があると思います。“良心的な日本製の革製品”がここに来ればたくさん見られる、という場になってくれれば嬉しいですね。」と野村社長は最後に顔をほころばせました。

◆有限会社 野村製作所
東京都台東区東上野1-28-10
http://www.nomura-purse.co.jp/

KAWANOWAは、得意ジャンルもテイストも違ったメイドインジャパンのバッグメーカーが集まったサイトです。
バッグのご紹介に限らず、様々な情報や職人さんの横顔などもお伝えしてまいります。

それでは、次回もお楽しみに。

野村製作所の商品はこちら

「KAWANOWA」な人たち Vol.5前編
『有限会社野村製作所 代表取締役 野村俊一氏 インタビュー』
「自由でのびのびした環境から生まれる、ユニークな革小物たち」

KAWANOWAな人たち

IMG_7795.JPG

穏やかな話し方が印象的、有限会社野村製作所 代表取締役 野村俊一氏

遊び心を忘れないモノづくりの姿勢

本社にお邪魔させていただくと、インタビューは「一緒にハゼ釣りに行きませんか?」というお誘いの言葉から始まりました。野村社長は業界内でも有名な釣り好き。メーカー同士の釣り仲間のつながりも強く、四季を通じてあちこちの海へと釣りに出かけているとのことでした。

遊び心を大切にする会社は、モノづくりでもそんな気持ちを忘れません。「KAWANOWA」でも人気が高い、可愛らしいフォルムのペンケース「意外に実用的なくじら」。手のひらに乗る、程良い大きさと、色鮮やかなバリエーション。ここに至るまでには四型ほどの試作を経て作られています。実際に使って貰える“くじら”を世に出したいという気持ちが伝わってきます。

IMG_7708.JPG

くじらの試作品。口の中がコインケースになっています。

意外に実用的なくじら

子ブタのポーチ、なまずのペンケースなど、職人さんたちの手先の器用さが表現されたアイテムが続々と登場しました。それだけでも可愛らしく思わず欲しくなってしまいます。

IMG_7738_2.jpg

旧「くじら」はファスナーの引き手が魚の形。(写真左)「なまず」にはザリガニが!(写真右)

自由闊達でのびのびした社風

IMG_7623.JPG

革でできたポスト。

更に「うちの親方が作ったんです」といって出して下さったのが、革で出来たポスト、ウルトラマンに出てくるカネゴンなど、「これがホントに革製?」と見紛うほどの精巧さで作られた一点ものの数々でした。商品化はされていないとのことですが、工芸品としても通用するのではないかというほどの素晴らしい作り。さすがの技術力、と目を見張りました。

ポットだって革製です。

野村製作所の社内では20代から70代まで現在8名の職人さんが働いています。事務所と続きの部屋にサンプル作製室があり、依頼されてから社内で形にできる環境が整っています。片や、親方が手隙の時にワクワクする新しいものを作り出している、なんとも柔軟な環境です。

「社長はほとんど“ダメ”と言うことがないんです。逆に“好きにやっていいよ”と言ってくれるので色々チャレンジ出来ます。」とはスタッフの弁です。自由闊達で伸び伸びした環境の中だからこそ、ユニークな商品が出来るのだと実感しました。

IMG_7613.JPG

サンプル作製室、ここから新しい商品が生まれていきます。

オリジナル製品はカラーバリエーションが魅力

野村社長は現在4代目。現在の有限会社になったのは昭和26年ですが、大正12年に初代が浅草に、前身の野村商店を構えたことが始まりとのこと。もとは喫煙具作りをしていたので、ハンドバッグよりもずっと歴史が古いと言われています。

大手アパレルブランドとの繋がりが強く、アイテムは財布、パスケース、キーケース、名刺入れといった革小物全般のOEM(相手先ブランドによる生産)を長く手掛けています。「Your Creative Crew」のキャッチフレーズの元、依頼されてから生産まで相手の要望を聞きだし、マニュアル一辺倒ではないきっちりした対応を心掛けています。

ここ最近は、オリジナル製品作りが少しづつ増えています。年10か所程大手百貨店に社員が立たせて頂く催事に参加し、圧倒的な商品量とカラーバリエーションで、老若男女問わず足を止めて頂いているそうです。

ウォレットポーチ

 

このあと公開の後編では、催事イベントでのお話や、今後の展望について伺った内容をお伝えします。

KAWANOWAは、得意ジャンルもテイストも違ったメイドインジャパンのバッグメーカーが集まったサイトです。
バッグのご紹介に限らず、様々な情報や職人さんの横顔などもお伝えしてまいります。

それでは、次回もお楽しみに。

野村製作所の商品はこちら