たくさんある革の種類【まとめ】 その1
<牛革の種類>

革の知恵袋

「KAWANOWA」では「革の輪」だけあって、ご覧のように革もののかばん、小物を得意としています。

 

その革にも実は様々な種類があります。

 

「牛」「羊」「豚」など動物の種類だけでも十種類以上、そして一口で「牛革」といっても成長の度合いや性別によっても様々な呼び名があります。


このコーナーでは、材料としての革の種類をわかりやすく「まとめ」てみようと思います。

 

【牛革】
牛革は革製品でもっともよく使われています。革になる動物の種類のなかでは最も大きいサイズのものです。

 

素材には厚みがあり、繊維組織が比較的均一で、強度や耐久性にすぐれています。
原料の「原皮」は、おもに北米やオーストラリアから輸入されていて、国内のタンナー(鞣し工場)で革に生まれ変わります。

 

ただ最近では、「地生(じなま)」と呼ばれる、国産の牛原皮も使われることが増えました。まさに「松坂牛」など牛肉として美味しくいただいた後の、牛の「皮」も活用しているという循環になっています。


また(スキン)や(ハイド)とついているのは、サイズの違いです。「スキン」や子牛革、羊革など薄くて軽く、小さいサイズの革につきます。

 

「ハイド」は、成牛革、馬革のように25ポンド(約11.5kg)以上ある厚くて重い革を指します。


(1) ハラコ

 

ハラコとは、胎児〜生後間もないほどの子牛の革です。短い毛のついた素材で、なめらかな独特の風合いがあります。表皮と一体化しているようなつややかな毛並みが特徴です。

 

出産前に死亡した牝牛のお腹にいた仔牛や、死産した子牛から採られます。そのため、ほとんど市場に出回ることはない希少かつ高価な革です。

 

現在市場に出回っているものは、「ポニー」と呼ばれる毛つきの馬革がほとんどで、中にはフェイクレザーの「ハラコ調」と呼ばれる素材も多くみられます。

 

(2)カーフ(スキン)

 

生後6ヶ月くらいの子牛の革のこと。薄手でキメが細かく、最も上質と言われています。

表面に凹凸がなくスムーズな手触りで、薄さや柔らかさから最高級のクオリティ。


その代表格がボックスカーフと呼ばれるもの。

 

短時間クロムなめしを施し、素材の表情を残しながら、艶やかな見た目の美しさと傷つきにくい丈夫さをプラスした、“いいとこ取り”のカーフと言えます。

 

経年変化も楽しむことができ、タンニンなめしのように極端に表情が変わってしまうことがないので、使い込んでもくたびれた感じにならないのが大きなメリットです。

 

(3)キップ(スキン)
生後6ヶ月〜2年くらいの、カーフよりやや厚手の革。カーフについで上質です。

キメの細かさと強度の両方を兼ね備えています。

 

(4)カウ(ハイド)
生後2年を経過したメス牛の革です。革の厚さは雄牛ほどではなく、やや柔らかさを持っています。

カーフスキンやキップスキンより厚みがあり、丈夫さが特徴です。

 

(5)ステア(ハイド)
生後3〜6ヶ月以内に去勢された、2年以上を経た雄牛の革です。もっとも市場に多く流通しています。

去勢されていない雄牛の革(ブルハイド)と比較すると、革質がやわらかくなっています。厚みが均等であり、様々な用途に使用可能です。

 

(6)ブル(ハイド)
生後3年以内の、去勢されていない雄牛の革です。活動的なので体中に傷があることも多いです。

牛革の中でも最も固く丈夫である一方で、しなやかさや柔らかさはありません。

 

主に革靴のソール、家具、工業用のベルトなどに使われています。

バッグや靴には不人気と言われていますが、あえてワイルドな質感を重視したかばんなども登場しています。

 

 

(7)バッファロー(水牛)
東南アジアなどでは、田畑を耕したりする際に活躍する水牛の革です。

 

革は厚く、肩の部分に大きなシワがあり、線維組織は粗いものの独自のシボ感やタッチ感があり丈夫です。
絶滅危惧種に指定されている「バイソン」とは種類が異なります。

 

【コラム】◆革製品の取引単位


革の取引は、動物の種類、品種、年齢などで1枚1枚大きさが異なるため、“面積”=「1DS(デシ)」を基準に取引が行われます。1DS=10cm×10cmの面積が基準で「1d屐(1デシメートル)が正式名称です。
電子計量器にかけられた革が「1枚130DS(デシ)」だとすると、1デシあたりの金額が100円だとすれば、革1枚分の価格は「13,000円」ということになります。

 

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◆参考資料
日本皮革産業連合会 販売研修用テキスト http://www.jlia.or.jp/


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KAWANOWAは、「革とオトナのいい関係」を作っていくサイトです。
革についての、知られざる知識あれこれをこれからもお伝えしていきます。
また次回もお楽しみに。


CHIENOWAコミュニケーション 川崎

 

「日本での、革のうまれるまち探訪」その2
<東京都 墨田区>

革の知恵袋

ピッグスキンにプリントして、ナイフで細かなカッティングを施している

「KAWANOWA」は「革の輪」。とはいえ、「革」についての知識ってどのくらい持っていらっしゃいますか?
前回の「革のうまれるまち探訪 その1」でもお伝えさせていただいたように、日本国内でも革を作っている街が多くあります。代表的なものが<姫路市、たつの市>でした。

革の鞣しには水を大量に使うので、「川」が重要だと聞いていましたが、やはり市内を流れる「市川」を目にすると、“ここで何百年も前から革が作られてきたのかー”と感慨深いものがありました。

さて、今回の“まち探訪”は東京都の「墨田区」。え?東京で革づくり?と思いますよね。墨田区や台東区の“イーストトーキョー”エリア界隈は“東京のブルックリン”とも称され、様々な伝統的なものづくりが息づいている「まち」です。

1.国内で唯一“自給”できるピッグスキンを作る「東京都 墨田区」

手作業でレザーに加工しているところ

(1)江戸時代から脈々と継承される豚革づくり

ピッグスキンは読んで字のごとく「豚革」です。前回の<姫路市、たつの市>は牛革の鞣しがメインでしたが、ここ墨田区では「豚革」を得意とし、国内生産量の約9割を誇ります。

豚革の生産地となったきっかけは、戦後の豚の畜産増加に伴って、それまで他の革づくりを行っていたタンナーが、ピッグスキンへと切り替えていったのが始まりだとか。

関西が牛肉文化、関東が豚肉文化というのも、どこかで関連しているのではないでしょうか。

スエード調の柔らかな起毛タイプのピッグスキンバッグ

墨田区は江戸時代から、瓦、染色、材木などから始まり、明治以降には革、メリヤス、マッチ、せっけん、ガラス製品などを製造する工場が多く誕生しました。このエリアは日用品を中心とした、一大“近代軽工業”発祥の地でもあります。

ものづくりの技術は今なお継承されており、特にピッグスキンは国内だけでなく世界中にも多くのファンがおり、海外のコレクションに多数使用されてきました。

実は世界的に見ると、豚の“皮”というものは食肉と一緒にして流通してしまい、素材として扱われることはほぼ皆無です。けれど日本では、豚の“皮”は食べずに副産物として“革”へと加工する流通するシステムが出来上がっています。ですので、革の原皮の多くは輸入品であるのに対して、豚皮は純国産ということなのです。

 

(2)ピッグスキンの持つ特徴を生かす

ピッグスキンの表面には、三つづつ並んだ毛穴があるのが特徴

 

タンナー(鞣し業者)は墨田区の東側エリアに集まっており、墨田川と荒川に挟まれるなど豊かな水源に恵まれています。

川をはさんで向かい側の、台東区浅草、蔵前、浅草橋界隈には、革や靴、かばんをはじめとした「卸問屋」が集積しています。

鞣しから、染色、加工、漉きなど専門的な職人さん達や中小の工房が密集しており、製造から流通までを担うことができるエリアとしては、日本でも珍しい“革のまち”かもしれません。

ピッグスキンの大きな特徴は「3つ1組」で革の表面に開いている小さな“毛穴”。そのために、通気性がよく軽いので、革靴の内側(ライニングと呼びます)に多く使われてきました。

ただ最近では、国内で安定的に原皮が供給される強みを活かし、ピッグスキンを“主役”にする試みも見られます。

 

例えば、革に様々な染色を施したり、転写フィルムを貼ってカラフルなプリント地にしたり、細かくレーザーカットしたりと「これが革?!」と見まごうようなテクニックも増えてきました。

 

ベースに使われているのは、“真っ白な革”。一般的には革を白くすることは大変難しいと言われてきましたが、そこに果敢にチャレンジするメーカーも増えています。これを下地として、微細なインクジェットプリントを鮮やかに載せるような工夫も見られます。

経年変化する“革らしさ”を楽しむことはもちろんですが、逆にピッグスキンではカラフルさや、加工のバリエーションを味わうことができます。革なのに発色がキレイ、仕上げも様々あるので、バッグやレザージャケット、レディスシューズなどに使われています。

さまざまなプリントをほどこしたピッグスキン

 

また墨田区内のタンナー各社が力を入れているのは、「エコレザー」や「クロムフリー」の革。

エコレザーというのは、「日本エコレザー基準(JES)」に適合している革のことで、できるだけ“環境負荷”を減らすことに配慮し、環境面への影響が少ないと認められる革材料のことを指しています。

ホワイトのエコレザーを乾かしているところ

子供が触ったり、身体に直接触れる機会も多い「革」だけに、ホルムアルデヒドや重金属といった化学物質を使っていないエコレザーは、いま市場でも大変な人気です。今後も、「環境に配慮する社会」のトレンドを背景にして、数多くのエコレザー製品がマーケットに登場していくのではないでしょうか。


さて東京で革づくりということは、少し理解していただけたでしょうか。

次は少し北上して「草加」へ。「おせんべいだけじゃないんだ(笑)」と思われるかもしれませんね。お楽しみに。

 

◆参考URL
TOKYO LEATHER PIGSKIN 2017(パンフレット)
日本革市(http://www.kawa-ichi.jp/
一般社団法人日本皮革産業連合会(http://www.jlia.or.jp/

 

◆KAWANOWA取扱商品のご紹介

ピッグスキン使用商品

 


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