「KAWANOWA」な人たち Vol.7前編
株式会社サンバッグ坂本 代表取締役 坂本 収氏 インタビュー
「“ミスター・クロコダイル”の異名を持つ、クロコ一筋の達人」

KAWANOWAな人たち

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ミスタークロコダイル!株式会社サンバッグ坂本 代表取締役 坂本 収氏
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爬虫類、特に“クロコダイル”の素材を専門に扱うバッグ・革小物メーカーとしてものづくりを続けてきた、(株)サンバッグ坂本。
創業は1931年で、三代目である社長 坂本収さんは「ミスター・クロコダイル」という異名を持つほど、クロコに詳しい達人です。

浅草橋からほど近い自社ビル内には、一枚何十万円もするクロコダイルの革を、職人の目で選別し、裁断し、縫製し、検品するまでの、トータルな工場があります。外からはちょっと想像がつきません。

「今まで内部を見せることはほとんどなかった」というその工場内を、今回は特別な許可をいただき、取材することができました。そこには、想像を越える驚きの光景が広がっていました。

クロコやヘビも「エキゾチックレザー」

潜入レポートの前に、まず基本的な爬虫類(はちゅうるい)についての知識から入りましょう。

爬虫類の革というのは、ワニ(クロコダイル)、ヘビ(パイソン)、トカゲ(リザード)、ダチョウ(オーストリッチ)といった素材に代表されますが、これらは総じて国内では「エキゾチックレザー」と呼ばれています。

古くからファッション業界でも、素材の持つ魅力や付加価値を活かして、様々なバッグや靴、革小物が作られてきました。希少性から、かの「エルメス」のクロコダイルのバッグが数百万円するというのも、良く知られるところです。

そもそも食肉の副産物である「牛革」や「豚革」と違って、エキゾチックレザーの動物たちの中には、野生の種であるがゆえに、乱獲や絶滅から守るべき品種もあります。それらを保護して計画的に利用するという観点に基づいて、現在は「ワシントン条約」というものが存在します。

ワシントン条約に基づく爬虫類取引

1973年にアメリカのワシントンで、世界約81カ国の代表が集まり「野生動植物保護条約」が締結されました。2015年5月現在で、世界181の国・地域が加盟し、条約事務局はスイスのジュネーブに置かれています。

もちろん日本もこれを遵守した取引の元で爬虫類製品は作られており、特に国内で製造されたものには「JRAタッグ(Japan Reptile Leather Industries Association)」が付けられています。国内生産の安心の証と言えます。

「私たちが国内工場で作ったものには、すべてこのタッグまたはシールが付いています。もし付いていないものがあれば、“外国製かも”と考える判断基準にしてもらえればと思います。」と坂本社長。私たちが爬虫類製品に触れる際には、このタッグの存在を忘れないようにしたいものですね。

日本でも数少ない一万枚ものクロコダイル革

さて。爬虫類の知識もアタマに入れたところで、坂本社長に促されて工場にお邪魔させていただきます。

まず最初に伺ったのは、約一万枚ものクロコのレザーが所狭しとストックされた部屋でした。こんな光景は私も初めて拝見、もう圧巻です!

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棚に積まれたクロコ!クロコ!クロコ!

五段ある棚には、カラー別にクロコがうずたかく積まれていて、裁断される出番を待っています。サンバッグ坂本では現在9割がクロコ、残りの1割がオーストリッチやリザードがメイン。カラーは基本色で6色、革小物などに使っているものを含めると15、6色もあるといいます。

「こんなにたくさんクロコ革を在庫しているところは他にないと、よく革屋さんには呆れられますね(笑)。クロコの革は一枚一枚の“斑(ふ)”の入り方や大きさが違うので、急な発注などいざという時にこのくらいあれば安心できますしね。」と笑う坂本社長。

自然素材の証であるクロコの“斑模様”

爬虫類の革というのは、特に「個体差」を無視することはできません。野生動物ということもありますし、ケンカしたり噛まれたりしたキズがどうしても入ってしまいます。クロコの革は、トゲトゲした背中ではなく“お腹部分”を使うため、多少のキズは自然素材としての証だとも言えます。
クロコの型押しにはない繊細な模様は二つと同じものはなく、本物の証明だとも言われています。

「この部屋で一枚づつ、革を見ながらバッグや革小物の型紙を当てていきます。その時に、どこをどう取るかを判断することが実はとても難しい。高級品でありバッグの顔を決める作業だからこそ、傷を避けたり端の部分をどう処理するかなど、牛革にはない難しさが爬虫類にはありますね。」と坂本社長。

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革に型紙をあてて…

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できるのが、マットクロコダイル(センター取り)長財布

型紙の線を引くということは、“これでバッグの顔が決まる”という意味。クロコの斑を見極めつつ左右のバランスなどを峻別するのは、経験値と技がないとおいそれとは出来ません。

ちなみにこの「革選別」と、型紙を置いて革に線を引く「革出し」の作業は、社長みずから行います。今まで何十万枚もの革を見続けてきたベテランの技がものをいう作業と言えそうです。

サンバッグ坂本の工場には、この段階ではまだ足を踏み入れたばかり。
これから製品になるまでしばらく続きます。この先もお楽しみに。

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文責 CHIEnoWAコミュニケーション 川崎智枝